白鉛鉱は鉛の鉱物で板状、柱状、針状とさまざまな結晶をつくります。
英語名のセル―サイトcerussiteの語源はラテン語のcerussa(鉛白)からきています。鉛白で作られたおしろいは古代ローマや中世ヨーロッパ、日本でも1934年に製造禁止されるまで女性用の化粧品として広く用いられました。貧血・消化器症状・神経麻痺から脳変性まで起こす鉛白の毒性が明らかになってからも、肌を美しく見せたい女性たちはなかなか使うのをやめなかったそうです。
白鉛鉱の屈折率は1.8~2.08とダイヤモンド(約2.4)には及ばないながら水晶(1.54~1.55)よりも高く、また波長の違う光を分ける複屈折率と分散度も高く、透明な結晶をカットするとキラキラ虹色のファイアが輝く宝石になります。
比重は6.5、水の6.5倍で水晶(2.64~2.69)の2倍以上、手にとると見た目以上にずっしり重みのある鉱物です。
矢筈状、斜格子状、雪のような複雑な形の結晶も作ります。
Snowflake cerussite (スノーフレークセルーサイト)という格好良い名前のついた白鉛鉱がこちら。
弱点は脆く割れやすいこと。
硬度3~3.5 完全なへき開性。
白鉛鉱の小さな標本を型取りして銀のピアスが出来ました。