
備長炭に引き続き、国産の石炭をルースにしてみました。

今は閉山となった福岡県三井三池鉱山の無煙炭。
手頃な大きさにカットするのに、まずコッピングソーを使ってみましたがぼろぼろと崩れて思うような形がとれません。
ルーターにダイヤモンド刃でのカットを試みましたが、同心円上に墨色のしぶきが飛んで服と部屋が危険なため中止。
石炭のモース硬度は2〜2.5、珊瑚より柔らかく真珠に近い柔らかさ。
無煙炭は炭素90%以上と純度の高い石炭ですがクラックの中には純度の低い土のような脆い部分が入りこんでいます。
鉄工用やすりでクラックを削りながら緻密な部分で形を作り精密やすり→サンドペーパー#400→#800→#2000と研磨していきます。

#2000まで磨いたところ。
そしてこちらが植物起源の由緒正しい黒い宝石、国産ジェットの原石。

石炭は太古の植物の遺体が堆積して化石化したもの、ジェットは樹木そのものが化石化したものです。
旧石器時代から装飾品として利用され、古代ローマ、プリニウスの博物誌では海岸に打ち上げられる木のような外観の燃える石として紹介されています。日本の海岸にも琥珀と一緒に拾える場所があるのだとか!
イギリスのヴィクトリア朝時代にはヴィクトリア女王が愛用したことから大流行しました。
硬度は2.5〜4。ルーターでもコッピングソーでも問題なく刃が入ります。

が、カット後やすりで粗く削っていたらボロっと崩壊。

カットし直して砥石とサンドペーパーで丁寧に削っていきます。

思いのほか有用だったのが百均で買った包丁研ぎ用の砥石。
パッケージを捨ててしまったので粒度がわからないけれど使用感は#200-300/#400-800くらいな感じです。使い捨てのサンドペーパーと比べて研磨力の持続は無限とも感じられるコスパの良さ。
備長炭と石炭は真っ黒な粉、ジェットは茶色い粉が出ます。備長炭の粉は無臭、石炭とジェットの粉はタール臭というか独特のケミカルな匂いがします。爪の間に入り込んで一番汚れが取れにくかったのは石炭。

精密研磨フィルムと青砥で仕上げます。研磨フィルムは1枚数百円とコストがかかる割に石の研磨では磨けた実感がいまいちでした。

研磨した石に合わせてシルバーと真鍮で石枠を作ります。

石留めして完成!
半分ネタで作りはじめた石炭もツヤピカでかっこいかわいいです。これだけ磨くと触っても擦っても黒い粉はでません。

拡大すると石炭にはかなりクラックが入っていますがそれもまたクールな味わい。備長炭やジェットが木目のためにわずかに色ムラがあって温かみがあるのに対して、石炭は艶のある漆黒です。
コットンリボンとカジュアルに、ベルベット生地と合わせてクラシックに。
ジェットは上品だし、シルバーのフレームと高級感のあるシルクリボンに石炭木炭というギャップの組み合わせにもなにかこうグッとくるものを感じます。

手と道具と作業場の汚れと片付けを考えなければ…何度もやりたい炭素ジュエリーの研磨でした。
@sazare14 国産の石炭(無煙炭)を研磨してみました 宝石のジェットのような漆黒の輝き 硬度2-2.5とジュエリーとしてはやわらかめですが 傷やクラックも風合いがあってかわいい #blackdiamond #coal #天然石研磨 ♬ Bach unaccompanied cello suite "Prelude" - Jianteng




















































